歯科医院の開設時における医院の名称と標榜科目の決め方

歯科医院の開設時における医院の名称と標榜科目の決め方

2023年1月26日

歯科医院を開業する際に必ず決めるのが、標榜科目と医院の名称です。
標榜科目とは、医療法によって定められた、医療機関が看板や広告などで掲示できる診療科目のことです。
歯科医では【歯科】【小児歯科】【矯正歯科】【歯科口腔外科】の4種は標榜することが認められています。

また、医院の名称を決めるにも、医療法や医療広告ガイドラインによる規定があり、これに沿った名称をつけなくてはなりません。

 

今回は、歯科医院を新たに開設する場合に気をつけたい標榜科目と医院の名称の決め方について説明していきます。

 

標榜科目は選択肢の中から

 

標榜科目は、患者が自身の症状に合わせて適切な医療機関を受診できるように掲げるものであるため、
政令によって定められた診療科目を使用するように求められています。現在、日本ではほぼ全てで【歯科】を掲げています。
また、複数の診療科目を標榜することは禁止されていないため、歯科医に認められた4種全ての診療科目を掲げているところも存在します。
さらに、診療内容に合致していれば【小児矯正歯科】のように、標榜科目を組み合わせることも可能です。

 

決められた標榜科目のなかでは組み合わせができるなど、比較的自由度は高いですが、これ以外の標榜は認められていません。
一見あり得そうな【インプラント科】や【審美歯科】などは診療科目名としては標榜してはいけません。

これらの文言は、HP等で広告可能事項の限定解除要件を満たしている場合など、要件を満たせば広告として表示することは可能です。

 

名称をつける際のルールとは

 

標榜科目が決まれば、次は医院の名称を決めましょう。ここでまず注意したいのは病院という単語です。
病院は、医療法1条の5により、「20人以上の患者を入院させるために施設を有するもの」と定められており、
「患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」は病院ではなく診療所となります。

そのため、歯科医院の多くは病院という名称は使えません。“診療所”“クリニック”もしくは“医院”といった名称はつけることが可能です。
患者が病院だと勘違いするような【〇〇病院分院】や【〇〇総合内科】といった紛らわしい名称も使用は禁止されているので注意しましょう。

 

医療法の他にも、医療広告ガイドラインの規制も受けることになります。
ガイドラインの定めている【内容が虚偽にわたる広告・他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告・誇大な広告】に
該当する名称をつけてはいけません。

例えば、研究所の附属機関でないにもかかわらず【〇〇研究所附属】とつけたり、
田中という歯科医師が【佐藤クリニック】とつけたりすることは、虚偽にわたる広告になります。
また、“理想”“最高”など優位性や優秀性を示す名称は比較優良広告に該当するため禁止です。
“無痛”や“虫歯0”などの文言は誇大広告となり、もし仮に虚偽でなかったとしても認められない名称です。

 

ここまでは医療関連でしたが、それ以外の法律にも気を配らなくてはいけません。
不正競争防止法では、世間一般で広く認識されているものと同一の営業表示の使用を禁じています。
もし、近隣で営業している歯科医院と同じ名称をつけた場合には、この不正競争防止法違反になる可能性があります。

しかし、日本の歯科医院では開設者の苗字を医院の名称に用いることが多いため、
仮に近所に同じ苗字の歯科医師がいる医院があった場合はすぐに法令違反とは言えません。

相手の診療所との地理的な関係や業種の相違点、名称を採用した理由など総合的に判断されます。
どちらにしても時間や手間がかかるので自身の医院を開設したい土地では、周辺のクリニックも下調べしておきましょう。

 

歯科医院の名称はとても重要

 

禁止事項を守るのはもちろんですが、歯科医院の名称によっては患者に与えるイメージも異なります。
たとえば、【齋藤クリニック】と漢字表記にするのか【さいとうクリニック】とひらがなで表記するのかもその1つです。

患者にどのようなイメージを持ってもらいたいのかを考えながら表記を検討してきましょう。

また、近年では患者の多くはインターネットを使って歯科医院を検索しています。
【△▲5丁目デンタルクリニック】など地名を入れてみたり、
【ぴかぴか歯科クリニック】などイメージの湧きやすい名称をつかってみたりと、
多くの歯科医院の中から見つけてもらうための工夫も必要になってくるでしょう。

 

歯科医院の名称と標榜科目のつけ方には細かなルールがいくつも存在しています。
名称を決定する際には専門家にも相談するようにし、適切なものをつけられるようにしましょう。

 

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