介護事業者における策定が義務化した【BCP】って一体何?

介護事業者における策定が義務化した【BCP】って一体何?

2022年2月17日

2021年度の介護報酬改定により、4月から介護サービス事業者に『BCP(業務継続計画)』の策定と、
それに基づいた研修等の実施が義務付けられました。BCPとはBusiness Continuity Planの略称で、
業務継続計画という意味を持ちます。このBCPは2021年度から3年間は経過措置のため努力義務となり、
2024年度から正式に義務化されることになっています。

 

今回は、義務化されることで介護事業者における感染症や災害への対応能力強化と、
利用者が安心できる継続的サービスの提供が期待される『BCP』について説明していきます。

 

緊急時にも事業を継続させるために

 

2020年より世界中で広がっている新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)により、
介護事業所では感染症対策や深刻度を増した人手不足への対応を余儀なくされました。

 

介護事業所は、利用者の日々の生活や健康、生命の維持に繋がるサービスを提供する場です。
そのため、今回の新型コロナだけでなく地震や洪水などの自然災害・テロや重大事件の発生などによる
不測の事態が起きたとしても“事業を中断させない”そして“中断したとしても迅速に復旧させる”ことが非常に重要です。

 

このような背景から、2021年度の介護報酬改定でBCPの策定、研修や訓練の実施が義務付けられることとなりました。
有事になる前に各事業所の方針や緊急時の体制、対応手順等の計画を策定し、
研修や訓練を通じてその内容を共有することで、介護事業者の緊急対応力を向上させることが目的です。

 

BCP策定の進め方

 

厚生労働省老健局が作成したガイドラインによると、
介護サービス事業者に求められる役割は大きく分けて以下の3つと考えられています。

 

(1)サービスの継続

新型コロナ感染拡大時や自然災害発生時にも極力業務を継続できるよう努めるとともに、
万一、業務の縮小や事業所の閉鎖を余儀なくされる場合でも、利用者への影響を極力抑えるよう事前の検討を進めること。

(2)利用者の安全確保

介護サービス利用者は、65歳以上の高齢者及び40歳以上の特定疾病のある方であるため、
ウイルス感染による重症化リスクや災害時の被災リスクを回避するため、
あらかじめ安全確保に向けた防止策を検討し、確実に実行できるよう準備すること。

(3)職員の安全確保

感染拡大時や自然災害時に業務継続を図ることは、職員の被災リスクを高めるほか、
長時間勤務や精神的打撃など職員の労働環境が過酷になることが懸念されるため、
職員の被災防止対策とあわせて、職員の過重労働やメンタルヘルス対応への適切な措置を講じること。

 

これらのポイントを踏まえた上で業務継続計画書を策定していくこととなります。

 

BCP作成のポイント

 

ここからさらに具体的な計画書をつくっていくには感染症拡大時と自然災害発生時に分け、
以下のポイントに沿って作っていくことで整理がしやすくなります。

 

【感染症拡大時】

(1)施設・事業所内を含めた関係者との情報共有と役割分担、判断ができる体制の構築

感染(疑い)者発生時に迅速に対応するため、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等の構築。

全体の意思決定者を決めておくこと、各業務の担当者を決めておくこと、関係者の連絡先、連絡フローを整理しておくこと。

(2)感染(疑い)者が発生した場合の対応

感染(疑い)者が発生した場合でも、入所者・利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供できるよう、
感染(疑い) 者発生時の対応について整理し、平時からシミュレーションを行うこと。

(3)職員確保

適切なケアの提供だけではなく、感染対策の観点からも職員の確保は重要となるため、
施設・事業所内・法人内における職員確保体制の検討、関係団体や都道府県等への早めの応援依頼を行うこと。

(4)業務の優先順位の整理

限られた職員でサービス提供を継続する必要が出てくることも想定されるため、
可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況に応じて対応できるよう、
業務の優先順位を整理しておくこと。

(5)計画を実行できるよう普段からの周知・研修、訓練

危機発生時においても迅速に行動が出来るよう、関係者に周知し、
平時から研修、訓練(シミュレーション)を行うこと。また、定期的に見直すこと。

 

【自然災害発生時】

(1)正確な情報集約と判断ができる体制を構築

災害発生時に迅速に対応するため、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等を構築。

全体の意思決定者を決めておくこと、各業務の担当者を決めておくこと。

(2)『事前の対策』と『被災時の対策』に分けて、同時にその対策を準備

(3)業務の優先順位の整理

可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況、
被災状況に応じて対応できるよう、 業務の優先順位を整理しておくこと。

(4)計画を実行できるよう普段からの周知・研修、訓練

危機発生時においても迅速に行動が出来るよう、関係者に周知し、
平時から研修、訓練(シミュレーション)を行うこと。また、定期的に見直すこと。

 

BCPは策定して終わりではありません。まずはスタッフに計画内容を周知し、
定期的に研修や緊急時を想定した訓練を行うことで、緊急時の対応力を強化させていくことが重要です。
自然災害や感染症の拡大はいつ起こりうるかわからないものです。
3年の猶予と思わず、なるべくスムーズにBCPを策定し、実効性を高めるため定期的に見直しも行なっていきましょう。

 

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