集患が期待できる無痛治療の導入と留意点

集患が期待できる無痛治療の導入と留意点

2022年2月24日

「キーン」という音が怖くて痛い。そんなイメージを払拭する治療に痛みを伴わない『無痛治療』を導入している歯科医院が増えてきています。
歯医者嫌いという人は、子供に限らず、大人の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その原因のほとんどは、治療時の痛みや不快感にあります。

痛みが少ない治療は、接遇をしっかりするのと同じくらい大切で、患者から選ばれるための「セールスポイント」になります。
一方で、歯科業の場合、医療広告には厳しい規制がかけられており、
誇大広告に触れる可能性があるため、安易に「痛くない治療」と掲げることはできません。

そこで今回は、『無痛治療』の導入や留意点について、解説させていただきます。

子供の頃に歯科医院で治療を受けてから、歯科恐怖症になってしまったという方はいらっしゃるのではないでしょうか。
昔は痛いのが当たり前だった虫歯治療も、技術の進歩や機器の発達によって、
最近ではかなり痛みを軽減できるようになりました。

無痛治療を導入している歯科医院も増えてきており、痛みの少ない治療が当たり前となりつつあります。

虫歯治療において発生する痛みは、主に歯茎に麻酔針を刺すときの痛みと、歯を削る際の神経が刺激される痛みの2種類です。
この2つの痛みに対処する治療が、「無痛治療」と呼ばれています。

麻酔針の痛みは、歯茎の表面に塗る表面麻酔や、極細の注射針を採用することで、痛みが軽減できます。
また、加温器などで麻酔薬を温め、電動の麻酔器でゆっくりと針を刺すことも痛みの軽減に有効だといわれています。

歯を削る際には、マイクロスコープや歯科用レーザーなどを使用することで削る部分を最小限にでき、
神経への刺激を最小限に抑えることが可能になります。

歯科医院によっては、子供向けに動画を見れるようにすることで不安を取り除いたり、
強い恐怖心や不安感を持つ患者に対しては鎮静剤を点滴し、
眠っているような状態で治療を行う『静脈内鎮静法』を採用している歯科医院もあります。

これらは全て痛みを最小限に抑える治療方法であり、採用している歯科医院にとっては大きな“武器”になります。
患者が歯科医院を選ぶ理由としては、家から近い、夜遅くまで営業しているなど、さまざまなものがあります。
それに加え、「治療が痛くない」というのが今後歯科医院が選ばれるうえでポイントになってくるのではないでしょうか。

 

HP上で周知を図る際には表現に注意

 

無痛治療は集患の観点からも効果的な治療法ですが、一方で、広告を出す際には注意が必要です。
医療提供体制改革を目指す「改正医療法」では、
医療広告に対して厳しいガイドラインが定められており、無痛治療という言葉はNG項目に該当します。

特に、不特定多数の人が目にするホームページなどで治療のメリットを紹介する場合には、
誇大表現・広告とならないよう気をつけなければいけません。

2018年6月に改正医療法が施行されたことで、
それまで規制の対象ではなかった歯科医院のホームページも広告に含まれることになりました。

歯科などの医業の広告は、全て「医療広告ガイドライン」を守らなければならず、
違反した場合は、表示を取り下げないといけない可能性があり、
命令に従わない場合は、罰金刑や懲役刑を受ける可能性もあります。

厚生労働省が発表している医療広告ガイドラインのQ&Aでは、「無痛治療」について、
「痛くない治療」のような科学的根拠がなく虚偽広告や誇大広告のおそれがある表現は、広告できませんとしています。

痛いと感じる度合は個々の感覚によるため、
客観的な事実を証明できなければ、虚偽広告や誇大広告に抵触する可能性があり、
表現として適切ではないと考えられるためです。

ホームページだけではなく、パンフレットやポスターやDMなども広告とみなされるため、
規制の対象になることを留意しましょう。

では、どのように無痛治療であることを患者さんに知っていただければよいでしょうか。
例えば、表面麻酔や極細の注射針の使用など、実際に行っている具体的な治療内容を記載することは問題ありません。
「痛みに配慮した治療を行っています」や、
「できる限り痛みを感じさせないようにします」などの表現も制限を受けることはありません。

あくまで痛くないと感じるのは患者側の体感であり、医師が患者の気持ちを代弁するような表現はルールに抵触するため注意しましょう。
また、患者自身がSNSやブログ、口コミサイトなどで「痛くなかった」と個人的に発信することも問題ありません。
拡散された評判が、結果的に無痛治療を連想させるとしても、個人の意思で発信された言葉には制限がかからないため、
PRツールとして活用するのも一つの手といえます。

ガイドラインに抵触していないかあらためて確認してみましょう。

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