現場に介護リーダーは必要?その役割と求められる能力とは
2023年5月18日
介護の現場には、介護士やケアマネージャー、ヘルパーや看護師、理学療法士や介護福祉士、
事務スタッフに至るまで多岐にわたる職種のスタッフが配置されています。
しかし、各々が専門的な知識やスキルを持っていたとしても、
利用者への対応方法や緊急時の対応などのスタンスが統一されていなければ、そのスキルを発揮できずに終わってしまいます。
そこで、現場の専門職をまとめ、事業所の方向性を統一するための介護リーダーという役職が必要といえます。
今回は、介護リーダーの必要性と求められる能力について説明していきます。
さまざまな職種を束ねるリーダー
介護の現場では、介護保険法によって定められた配置基準に準じて、
さまざまな専門職の職員が存在します。スタッフの多くはそれぞれに担当する入居者や役割が割り当てられているため、
横の連携が取りづらく、トラブルなどへの対応もうまくいかないケースが多く存在します。
そこで、多くのスタッフが在籍している事業所では、
ユニットリーダーやフロアリーダーなどのセクションごとに分けたリーダー職を配置している場合があります。
超高齢化社会に伴って、介護サービスの利用者はますます増加するとされています。
そのなかで、限られた人材で多岐にわたるサービスを、利用者のニーズに合わせて提供するためには、
それぞれの専門職が自身の能力や知識を効果的に発揮することに加えて、
チーム・グループで介護をしていくという意識をもつことが重要です。
そして、集団で介護ケアを行うためには、リーダーの役割を担う人が必要になってくるのです。
介護リーダーは、事業所の規模や業務形態によってその役割は異なるものの、
基本的には事業主や施設長などの管理職と、現場に出ている専門職スタッフとの間を取り持つ立場にあります。
主な仕事例は、現場での通常の介護に加えて、ユニットやフロアの統括管理やスタッフのシフト管理を行いながら、
現場スタッフの指導や教育、危機管理対策やケアプランの作成・ケア内容の検討など、非常に幅広いのが特徴です。
リーダーに求められる能力とは
では、介護リーダーになる人には、どのような能力が求められているのでしょうか。
厚生労働省が公表している『介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて』の中には、
介護職のリーダーが担うべき役割と求められる能力について以下のように記されています。
◯高度な知識・技術を有する介護の実践者としての役割と求められる能力
介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応していくためには、より専門的な知識・技術が必要となることから、
多職種と連携しながら、さまざまなニーズを持つ利用者への対応といった役割を果たすべきです。
このため、利用者の心身の状況等に係る観察力、
利用者の状況に応じて適切な対応ができる判断力、認知症の症状や病状等に応じた介護等を提供できる業務遂行力、
さまざまな職種と連携しながら栄養状態の把握や口腔ケア、機能訓練などの業務を遂行できる多職種連携能力といった能力が求められます。
◯介護技術の指導者としての役割と求められる能力
多職種によるチームケアのなかで、利用者に対する質の高い介護を提供するため、グループ内の介護職員の意欲・能力に応じて、
利用者のQOL(生活の質)の向上に資するエビデンスに基づいた介護サービスの能力開発とその発揮を促す環境づくりの役割を果たすべきです。
このため、利用者のQOLの向上に資するエビデンスに基づいた介護技術の指導・伝達により後進の育成ができる指導力、
個々の介護職員の意欲・能力の把握とそれに応じて能力を開発していく人事管理能力といった能力が求められます。
◯介護職のグループにおけるサービスをマネジメントする役割と求められる能力
介護計画等に沿った介護サービスの提供と、サービスの質の把握・改善等のマネジメントを行うため、
リーダーは、介護職グループのなかで介護過程の展開における介護実践を適切に管理する役割を果たすべきです。
このため、介護計画などに沿った介護が提供されているかをサービスの質とともに把握し、
その向上・改善に向けた対応ができる力、多職種・多機関の間で適切に情報のやりとりができる連携力といった能力が求められます。
リーダーになる人の元々の素質にもよりますが、リーダーに求められている能力というのは、
研修の受講や本人の努力、経験値でカバーすることが十分可能です。
業務量も多く、能力が求められるリーダー職は、大変な職務です。しかし、その分やりがいも大きい職務といえます。
多くの介護事業所では、介護リーダーを内部の介護スタッフの中から選出します。
任命する際には、なぜ任命したのか、求められるものはなにか、ゴールはどこかなどを詳しく説明し、
介護リーダーを決める目的とその目的達成に向けた方法論についても双方で共通認識をもつことが大切です。
使用者へのサービス向上や、円滑な業務運営のためにも、
スタッフをまとめながら事業所の方向性を示してくれる介護リーダーの配置を検討してみてはいかがでしょうか。
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