サロンにおけるベテランスタッフの雇用とセカンドキャリア支援
2022年11月10日
美容業界は立ち仕事が多いこともあり、体力的なことを理由に長い年数働くスタッフがあまりいないといわれています。
しかし、サロンの技術力と経営を維持するためには所謂ベテランスタッフの雇用確保が重要なポイントです。
技術と経験値を持つ人材を手放さないためには、従業員のセカンドキャリアを視野に入れていかなくてはなりません。
そこで今回は、ヘアサロンにおけるさまざまなセカンドキャリアの可能性とその支援について説明していきます。
美容師経験が活きるセカンドキャリアとは
まず、セカンドキャリアという言葉ですが、かつては定年退職後に就く職業を指す言葉でした。
そこから時代がかわり、現在ではキャリアアップやキャリア転職をした次の職業を指す場合が多くなっています。
現在、ヘアサロンで働くのを辞めてしまった美容師の有資格者は数十万人にのぼるともいわれており、
収入や体力、ワークライフバランスなど理由は違えど多くの美容師が現場を離れてしまっています。
これから自店のスタッフが同じようになってしまわぬように、スタッフのセカンドキャリアを見据えた体制作りをしていくことが重要なのです。
ヘアサロンで習得した技術や経験は、幅広い分野のセカンドキャリアへと活用できます。よく見られる例としては、
ネイリストやアイリスト、エステティシャンなどがキャリアアップやキャリア転職先に選ばれます。
もし、自分のサロンでネイルサロン等の新事業を始めるとするならば、スペースや設備導入のほかに人材の確保が必要です。
こうした際に新人を採用するのではなく、信頼できる既存のスタッフのキャリアアップの場としてその枠を設けてみてはどうでしょう。
資格の取得にかかる時間や費用のサポートを行うことで、従業員の満足度向上や離職防止にも繋がります。
また、近年注目されているのは福祉理美容師や訪問福祉理美容師など、
サロンへの来店が難しいシニア層や障害を抱える方へのサービスです。
新たな顧客層に対する新ビジネスになるからこそ、ベテランスタッフの力を借りて着手してみても良さそうですね。
従業員とサロンがともに成長していくために
ベテランスタッフのセカンドキャリアは現場仕事だけではありません。
サロン経営やスタッフのマネジメント、マーケティングに係るセカンドキャリアも考えられます。
大きな規模のサロンであれば、勤続年数の長いスタッフは店長や経営の幹部にステップアップすることも可能です。
その中で、人事や経費の管理や、プロモーションなどの知識や経験が求められるようになるでしょう。
これらの業務に対する教育制度を整えることで、従業員のセカンドキャリア促進だけでなく、
サロン経営の成長を後押しする人材が増える可能性も上がってくるのです。
今挙げたもの以外にも、カメラマン・イベンター・SNS運営など、
一見関係のない業種にみえても美容師経験との組み合わせによって従業員もサロンにとっても新たな可能性を切り開く選択肢を生み出していけるのです。
スタッフの描くキャリアデザインや適性を見極めながら検討していきましょう。
国の補助金を活用できるケースも
最後に、コロナ禍での経営環境の変化に対応するために、中小企業における新分野の展開、
業態や業種の転換などの【事業再構築】への挑戦を支援するための補助金についても触れておきます。
この補助金は、事業再構築補助金というもので、定期的に公募期間が設けられています。
事業再構築にかかる設備投資費用や開業コンサルティング料、広告宣伝費などのうち3分の2が補助されるというものです。
これまでヘアサロンとして採択された例では、メンズサロンの設置や他業種への参入などがあります。
売上実績などに一定の条件があり、採択率も決して高くはありませんが、
補助金の検討をきっかけに経営を今一度振り返ることで新たなビジネスチャンスに気づくかもしれません。
公募要項をよく確認のうえ、このような制度の理容も検討してみてはいかがでしょう。
事業再構築補助金に関してはこちら
https://jigyou-saikouchiku.go.jp
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