老朽化の進むインフラの維持管理どうする??

老朽化の進むインフラの維持管理どうする??

2022年7月14日

日本にある道路橋、トンネル、河川管理施設や下水道などのさまざまなインフラの多くは
1960〜1970年代の高度経済成長期に建造されています。
つまり、今後20年の間で、建造から50年以上経過する施設がどんどん増えていくということです。

現在、このようなインフラのメンテナンス市場は5兆円市場ともいわれ、
その需要の高まりから建設業以外の異業種も参入してきているほどです。

そこで今回は、新しく建てるよりも維持や管理に移行している業界の中で、
建設会社はどのような対応を行っていけばよいのかを解説します。

 

加速するインフラの老朽化が社会問題に

国土交通省の試算によれば、2018年には全国にある約73万橋のうち、
建設から50年以上経過する道路橋が25%ほどでしたが、
2023年には39%、2033年には63%ほどにまで増加するといわれています。
今から10年ほど経つだけで、日本道路橋の半数以上が完成してから50年以上経過してしまうのです。

2023年には建造から50年以上経過するトンネルは11,000本のうち約42%、
水門などの河川管理施設は10,000施設のうち約62%となりました。
さらに、2021年8月に国土交通省が公表した調査結果では、
橋梁で約20,000ヶ所、トンネルでは約1,000ヶ所に鉄筋の露出や腐食がおきているのが確認されています。

これ以外にも、ダムや水門・道路や鉄道なども含め、インフラは国民生活の基盤です。
これらの老朽化は国民の生活に直結する問題といえるでしょう。

 

インフラを保全していくこと

インフラの老朽化は大きな事故につながるケースも少なくありません。
こうした事故を起こさないためにも、
建設業界は今後官公庁とも協力しながらインフラの維持・管理に取り組んでいく必要があります。
その中で注目されているのが【予防保全】です。

国土交通省が2018年度から30年後までの維持管理・更新日の推計を行ったところ、
トラブルや不具合が起きてから対処する【事後保全】よりも、設備や施設の点検・監視を行い、
トラブルが怒らずとも耐用年数に基づいて整備を行う【予防保全】の方が、費用の縮減効果が大きいとしています。

この予防保全の考え方を基本としたインフラのメンテナンス市場は、
需要の高まりとともに拡大の傾向にあり、2018年にはすでに5.2兆円にまで成長しています。

2028年度には5.8〜6.4兆円、2048年には5.9〜6.5兆円程の市場規模になると推計しています。

異業種が参入してくる市場で

インフラメンテナンス市場の規模が拡大するとともに、補修工事に特化した建設会社や、
インフラの点検・調査が強みの調査会社など、関連企業の中でも強みがマッチして業績が伸びている会社もあります。

それと同時に、AIによる画像診断システムや、センシングの技術をインフラの点検に活かすべく、
建設関連とはまったく違った業界からの参入も増えてきています。

例を挙げると、精密化学メーカーの富士フィルムでは、
画像解析技術とクラウドを活用した『社会インフラ画像診断サービス ひびみっけ』を開発。
コンクリート建造物におけるひび割れを自動検出してくれるクラウドサービスを提供しています。
このシステムは剥離や鉄筋露出、漏水の検出も可能な優れものです。

また、大手総合電機メーカーの三菱電機は、8Kのラインカメラや高精度のレーザーを搭載した
『社会インフラモニタリングシステム』を開発。
これによって交通規制を行わずにトンネルの覆工面や路面の計測が可能になりました。

大手の建設会社も、インフラの維持・管理を効率的に行うために新技術を開発しており、
市場の規模拡大をみても今後参入してくる事業者は増えていくでしょう。

もし、自社もこの分野に参入したいと考えている建設関係企業は、
自社の持つ技術がどのニーズに訴求できるのかをまず確認してみましょう。

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