時期によって料金を変える仕組み『ダイナミック・プライシング』とは?

時期によって料金を変える仕組み『ダイナミック・プライシング』とは?

2022年3月17日

最近耳にすることも多くなったダイナミックプライシングという言葉。
条件によって商品やサービスの価格を変動させる仕組みのことを指しますが、
大手コンビニがフードロス削減のために賞味期限の切迫度合いに応じた割引をしたり、
テーマパークが閑散期のチケット価格を下げたりと様々な業界で採用されています。
そして、最近では飲食業界においてもシーズンや時間に応じて料金を変える店舗が登場しつつあります。

 

今回は飲食店が利益の最大化を図るために活用できるダイナミックプライシングについて説明します。

 

価格を調整して戦略的に利益を生む

 

ダイナミックプライシングというと何だか難しいですが、
『動的価格設定』『変動料金制』『価格変動性』などと称されるものは全てダイナミックプライシングです。
日本で昔から馴染みがあるのは航空券や宿泊料金などの観光業が、繁忙期と閑散期によって価格設定を変える戦略です。

 

最近では、テレワークの定着を受けて、大都市圏の鉄道会社も曜日や時間帯によって変動料金を取り入れる検証に乗り出しています。
しかし、飲食店においては実施例がまだ少なく、導入の決め手に欠ける部分もあります。
お得なシステムであると同時に顧客満足度を下げるリスクもあるために、安易には取り入れられないのが現状です。

 

ここで1度海外に目を向けると、『DiscoEat』『eatigo』『delinski』などのレストラン専用サイトから予約をすることで、
時間帯に応じて大幅に割引された料金で食事を楽しめるサービスが存在します。
来店する側だけではなく、店にとっても仕入れた食材を計画的に消費できたり、混雑のタイミングを均等化できたりと多くのメリットがあります。

 

反対にデメリットを考えると、当日来店の割合が多い飲食店では、
当日の来客数が少なければ損失が発生してしまいます。
またメニューの数が多い店舗では、すべてのメニューを変動させることで売上計算も複雑になって手間や管理コストがかかってしまいかねません。
頻繁に価格がかわったり、その幅が大きかったりすると、顧客の視点から見たトータルの満足度があがるとも限りません。

 

一方で完全予約やコース料理を提供するような店では、予約時に料金のアナウンスができるため、
デメリットをコントロールしやすいといえます。高い価格設定をしていても予約によって来店が確約されていれば、
仕入れや人件費を考慮しても結果として利益向上に繋げられるかもしれません。

 

ダイナミックプライシングで密の回避も

 

コロナ禍における飲食店での課題の1つに蜜の回避が挙げられますが、
実はダイナミックプライシングを利用して密を避ける工夫ができるのです。

 

混む時間帯には高く、空いている時間には安く、
時間ごとに細かい料金の設定を行うことでピークタイムを避けての来客を促すことが可能です。
そもそもの座席数が少ない店舗では、座席数を減らすのにも限界がありますが、こうした工夫で無駄なく店を回せるようになるかもしれません。

 

ここでさらにSNSを活用します。価格変動等を積極的に告知することで、
割安な値段で食事をしたい人を誘導できるだけでなく、空いている時間に来店したいニーズの顧客を誘導することも可能となるのです。

 

自店にあったダイナミックプライシングを

 

取り入れやすさを考えると、まずはドリンクメニューだけ切り替えるという方法もあります。
BARなどでは、ハッピーアワーと呼ばれる17〜19時にアルコール類が割引になる時間帯を設けている店舗も多いですが、
これも一種のダイナミックプライシングです。これを参考に、
アイドルタイムと呼ばれる閑散とした時間帯にドリンク1杯無料やおかわりの自由などのサービスを付与すれば、
利益や回転率の向上につながるのではないでしょうか。

 

飲食業界ではまだ浸透していないダイナミックプライシングですが、今後の注目度は高まると予想されています。
安定した集客を狙うためにも、自店ではどのような工夫と取り組みができるのかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

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