建設現場で発生する廃棄物の処理方法を知ろう

建設現場で発生する廃棄物の処理方法を知ろう

2022年6月2日

建設工事では、紙・木くず、がれき類などのさまざまなゴミが生まれます。
これらのゴミは『産業廃棄物』と呼ばれ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)によって、
その保管や処理の基準などが定められています。

 

また、これらを外部に委託する場合には、実際に収集運搬や処分を行う業者らと書面での契約を締結する必要もあり、
手順を踏んで廃棄しなくてはなりません。今回はそんな産業廃棄物を不適切に処理してしまわぬよう、
その取り扱いについて改めて説明します。

 

産業廃棄物と一般廃棄物の違いと特徴

 

廃棄物とは、簡単に言えば人々の活動によって生まれたゴミのことです。
これらは自分で利用したり他人へ有償で売却したりできないものと定義されます。
また、この廃棄物には一般家庭から排出されるものと事業活動によって生じたものに分けることができ、
前者を一般廃棄物、後者を事業系一般廃棄物と呼びます。

 

事業系一般廃棄物の中でも、産業廃棄物処理法に定められた20種類の廃棄物に関しては『産業廃棄物』と呼ばれ、
保管や処理に関して特に厳しい基準が定められています。

 

この産業廃棄物はさらに【すべての事業活動に伴うもの】と【排出する業種等が限定されるもの】の2つにわけられます。

 

【すべての事業活動に伴うもの】

(1)燃え殻(2)汚泥(3)廃油(4)廃酸(5)廃アルカリ(6)廃プラスチック類(7)ゴムくず(8)金属くず

(9)ガラス・コンクリート・陶磁器くず(10)鉱さい(11)がれき類(12)ばいじん

 

【排出する業種等が限定されるもの】

(13)紙くず(14)木くず(15)繊維くず(16)動物系固形不要物

(17)動植物性残さ(18)動物のふん尿(19)動物の死体

 

燃え殻や廃油などは、どのような業種から排出されても産業廃棄物となりますが、
たとえば紙くずなどは条件を満たした場合にのみ産業廃棄物とされます。
そのため業種によって産業廃棄物になるものとそうでないものに分かれるのです。

 

紙くずが産業廃棄物となる条件

・建設業に係るもの(工作物の新築、改築または除去に伴って生じたものに限る)

・パルプ・紙または紙加工品の製造業

・新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る)

・出版業(印刷出版を行うものに限る)、製本業及び印刷物加工業に係るもの

・ポリ塩化ビフェニルが塗布または染み込んだもの

 

これに該当しない紙くずは事業活動によって排出されたものであっても産業廃棄物にはならず事業系一般廃棄物の括りに入ります。

 

ゴミの運搬と処理を外部業者に委託するには

 

建設現場で排出された産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた基準に従って保管や処理をしなければなりません。
建設現場において産業廃棄物の排出事業者とは元請事業者を指し、
下請けで建設工事を請け負っている事業者がいた場合でも、
元請事業者以外は勝手に産業廃棄物を保管・処理してはいけないことになっています。

 

産業廃棄物の保管に関しては、周囲に囲いを設ける・必要事項が記載された掲示板を設置するなどの基準が決められています。
運搬や処理に関しても、産業廃棄物が飛散・流出しないようにする、
悪臭・騒音または振動による生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講じるなどの基準があります。
この他にも細かな基準があるので、必要に応じて各都道府県の環境局などに確認しておきましょう。

 

排出事業者が自社で産業廃棄物の保管や処理をすることが難しい場合には、
外部の業者に運搬や処理を委託することになります。実際にはほとんどのケースが外部に委託しています。

 

この委託を行う場合にも委託基準が存在します。委託先の収集運搬業者や処分業者が、
積み下ろし場所や積替保管場所などの許可を得ているかを確認し、委託契約を書面で締結締結することになっています。
委託契約書の記載項目も廃棄物処理法にて定められているので注意が必要です。

 

これに加え、産業廃棄物の引き渡しに関しても、
排出業者は委託業者に対して産業廃棄物管理表(マニフェスト)をその積み込みごとに交付しなくてはならず、
処理が始まってからも委託業者から返送されるマニフェストによって処理状況を確認しなくてはなりません。
また、委託契約書とマニフェストは5年間の保存義務があります。

 

建設工事の現場では、日々大量の産業廃棄物が排出され、
その種類も多岐に渡ります。取り扱う際には基準や決まりをしっかり守り、最後の最後まで責任を持って廃棄処分しましょう。

 

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