本当にある?!「袖の下」…医師が患者さんから治療費外の謝礼を受取る際のルールとリスク

本当にある?!「袖の下」…医師が患者さんから治療費外の謝礼を受取る際のルールとリスク

2021年4月29日

病気やケガで病院にお世話になった際、
治療やケアに専念してくれた医師やスタッフに
何かギフトを渡して感謝の気持ちを伝えたいと思う患者さんは少なくありません。

手術が必要な場合も、手術前・術後などに治療費以外の「謝礼」を
医師に渡したいという方が少なくないと聞きます。

しかし、日本医師会では「医師が医療行為を受けた患者から金銭や物品での謝礼を受取ることは慎むべき」
という見解を示しており、多くの病院でも、患者からの謝礼を禁止しています。

今回は、治療費外の謝礼に関するルールとリスクについて解説します。

 

謝礼の授受は医師の倫理指針で禁止されている

かつて、患者の家族が医師に“心づけ”という形で、謝礼を渡す慣習がありました。
しかし、日本医師会は「医師の職業倫理指針」のなかで、
医師は定められた報酬以外を要求してはならないとしており、
現金・贈答品を問わず、謝礼も授受すべきではないという見解を示しています。

 

医師が謝礼を受け取ったことで発生する医院のリスク

以上のことから、医師は謝礼を受取らないに越したことはなく、
医院はその点を周知すべきといえます。

もし「どうしても謝礼を受取ってほしい」という場合、
その謝礼金を医療施設への寄付として手続きをしてもらう方法があります。

寄付金は診療や医療施設の修繕、医学教育などに使用されるので、
患者さん側の謝礼は有効な形で医業に還元され
医師も謝礼を受取ったことになりません。

では、もし医師が謝礼を受取った場合には、
どんなリスクが考えられるのでしょうか。

法的には、私立病院に勤務する医師であれば特に問題はありませんが、
国公立病院に勤務する医師はみなし公務員となるため、
原則として公務員と同じ義務が発生します。

刑法197条1項では公務員がその職務に関し、
賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。
この場合において、請託を受けたときは、7年以下の懲役に処する
としており、
もし謝礼を受け取った場合には、収賄罪が成立する可能性があります。

また、国公立・私立を問わず、税法上では、勤務医でも受け取った謝礼金が20万円を超える場合には
雑所得や事業所得として申告する必要があり、申告をしないと、追徴課税を課せられることがあります。

まとめると、国公立病院に勤務する医師以外はその方法や税務申告にさえ気を付ければ、
謝礼を受け取ってもただちに法的な問題はないといえますが、
病院側が職務規定などで謝礼の授受を禁止している場合には、
懲戒処分の対象にせざるを得ないこともあります。

医師が謝礼を受け取ると、勤務する病院にリスクが生じる可能性もあります。
そのことを理解しながら、適切な対応を取るよう認識を共有しておく必要があるでしょう。

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