「スペシャルニーズ」という言葉をご存知ですか?

「スペシャルニーズ」という言葉をご存知ですか?

2020年10月30日

オリンピック開催に向けて街中を走るようになったユニバーサルデザインのタクシー。
乗降しやすいスライドドアとフラットフロア、社内の天井は高く、
ゆったりと座ることができて車いすの方、高齢者、妊婦さん、子ども、
身体に不自由のある方…様々な事情を抱える方達でも利用しやすいようになっています。

このように少しずつ、社会全体が徐々に多様性に対応し、
ユニバーサル化していく中、歯科業界においても同様の動きがみられるようになってきました。

今回は歯科業界におけるユニバーサル化、特に歯科治療を受けるときに特別な支援・配慮を必要とする
「スペシャルニーズ」の方への対応についてご説明していきます。

障害に対する深い理解が必要な「スペシャルニーズ歯科」

スペシャルニーズ歯科とは、以下のような特別な配慮が必要な方への歯科治療をさします。

・治療の必要性を理解するのが難しい
・じっとしているのが難しい
・治療や環境の変化にパニック症状を起こしてしまう
・コミュニケーションをとることが難しい
・身体の不自由や緊張から、治療を受ける姿勢を保つのが困難である
・聴覚・視覚・触覚・味覚・痛覚などが非常に過敏、または鈍い

ではこのような「スペシャルニーズ」に対し歯科ではどのような対応が考えられるでしょうか。
基本的には保護者や介助者と連携しながら病気や障害への理解を深め、
患者それぞれに合った対応を見つけることになります。

対応策としては、以下のような方法が考えられます。

・診察室をあらかじめ案内したり、スタッフが声掛けして患者に安心してもらう
・治療前に器具や治療内容・体制などを丁寧に説明し、環境に慣れてもらう
・楽に治療姿勢を保つためクッション等を用意する
・治療の説明に、絵カードや視覚支援カードなどを使う
・点滴注射や安定剤を利用して、緊張を緩和したり痛みを感じない状態で治療に入る

また、チェーンブランケットと呼ばれるチェーンが内蔵されたブランケットを用意している歯科もあります。

このブランケットを使用すると「包まれている」感覚を強く感じることができるので、
多動や気持ちの高揚で治療をしにくい方に効果がみられることがあります。

患者のなかには複数の病気や障害を併せ持っている方もいますので、
基本的には症状をよくヒアリングし、理解し、オーダーメイド対応を模索する形になるでしょう。

こうした対応は、時によって治療よりも難しいかもしれません。
障害の種類や程度によっては、専門的な知識や技術、設備が必要な場合があり、
高次医療機関での診察が必要なことがあります。

1973年に設立された日本障害者歯科学会では、
障害者歯科医療の向上を目指し、認定医制度と認定歯科衛生士制度を設けています。
もし、スペシャルニーズに特化したいという歯科医であれば、
障害者歯科医療の専門性を身に付け、認定を受けてもよいかもしれません。

患者の需要を細かくくみ取り対応していくことは、スペシャルニーズ以外の方に対しても必要とされることでしょう。
そのような対応をしてくれる歯科はきっと幅広い方に必要とされ、結果として歯科のユニバーサル化につながっていきます。

全国の歯科は約69,000軒、一方たくさんあるイメージのコンビニエンスストアは約56,000軒、
つまりコンビニエンスストアよりライバルが多い歯科業界で生き残るには、
他の歯科診療所が取り組んでいないニーズに取り組むことで、顧客獲得チャンスはあるといえるのではないでしょうか。

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